導入事例やウェビナーの動画を自社サイトに載せたのに、Googleの検索結果では動画として表示されない。こうした相談の多くは、動画の中身ではなく、動画を載せたページの作り方とメタデータに原因があります。
Googleは、ページに埋め込まれた動画を自動で見つけようとするものの、動画として検索結果に表示されるには、動画ごとのページ、サムネイル、構造化データなど、いくつかの条件を満たしている必要があります。
この記事では、自社サイトの動画を検索結果に表示させたいWeb担当者やマーケティング担当者に向けて、Google検索セントラルの公式ドキュメントに沿った実装の手順を整理しました。特定のサイトでの実装例ではなく、一般的な手順としてまとめています。動画マーケティング全体の進め方は、BtoBの動画マーケティングの進め方をご覧ください。
この記事でわかること
- 動画SEOの2つの意味 — YouTube内の検索とGoogle検索の違い
- Googleが動画を見つけるための条件
- 実装の6つの手順 — 再生ページ、サムネイル、VideoObject、主な出来事、動画サイトマップ、Search Console
- YouTubeの埋め込みと自社ホスティングの違い
動画SEOの2つの意味 — YouTube内の検索とGoogle検索
動画SEOという言葉は、2つの意味で使われています。
- YouTube内の検索 — YouTubeの検索結果やおすすめに表示されるための工夫。タイトル、説明、サムネイル、視聴維持率などが中心です
- Google検索 — Googleの検索結果、動画モード、画像検索、Discoverなどに動画を表示させるための工夫。ページの作り方と構造化データが中心です
この記事で扱うのは後者です。自社サイトに動画を載せる場合、検索結果からYouTubeではなく自社のページに来てもらえるかどうかが、資料請求や問い合わせにつながるかを左右します。
Googleの「動画の SEO ベスト プラクティス」では、取り組むことが次の順に整理されています。Googleが動画を検出できるようにする、インデックス登録されるようにする、特定の動画機能を有効にする、必要に応じて削除や制限をする、Search Consoleでモニタリングする、という流れです。

Googleが動画を見つけるための条件
構造化データを書く前に、まずGoogleが動画をページの中で見つけられる状態になっているかを確かめます。公式ドキュメントで挙げられている主な条件は次のとおりです。
- よく使われるHTML要素で埋め込む — Googleは
video、embed、iframe、objectの各要素で参照される動画を見つけられます - 操作なしで読み込まれる — スワイプやクリックをしないと動画が読み込まれない作りは避けます
- JavaScriptで挿入するなら、レンダリング結果を確かめる — Search ConsoleのURL検査ツールで、レンダリングされたHTMLに動画が含まれているかを見ます
- フラグメント識別子で動画を読み込まない — URLの
#以降で動画を切り替える作りは、通常サポートされません
見落としやすいのが、再生ボタンの画像を置いておき、クリックしてから本物のプレーヤーを読み込む作りです。ページの表示を速くするためによく使われますが、Search Consoleでは「動画の位置とサイズを判別できません」という理由でインデックスに登録されないことがあります。
手順1 動画ごとの再生ページを作る
Googleの動画機能(検索結果の動画表示、動画モード、主な出来事など)の対象になるには、動画ごとに専用の再生ページを用意することが勧められています。
公式ドキュメントでは、動画再生ページを「ユーザーに1つの動画を表示することが主な目的のページ」と説明しています。反対に、次のようなページは動画再生ページとは見なされません。
- 埋め込み動画をレビューするブログ投稿
- 製品の動画を添えた製品ページ
- 複数の動画を同じ大きさで並べた一覧ページ
BtoBのサイトで言えば、導入事例の記事の途中に動画を埋め込んだページや、ウェビナーの録画を並べた一覧ページは、そのままでは再生ページにあたりません。動画を検索結果に表示させたいなら、1本ずつ、動画が主役のページを作ることになります。
ページを作るときの注意点は3つあります。
- 動画をページの上のほうに置く — 動画がほかの要素に隠れていない状態にします
- タイトルと説明を動画ごとに変える — 再生ページごとに固有のページタイトルと説明を付けます
- 再生ページ自体がインデックスされている — 再生ページがインデックスされても、動画もインデックスされるとは限らない点に注意が必要です
同じ動画を記事や製品ページに載せること自体は問題ありません。その場合、記事のほうは通常のテキストの検索結果として表示される、という役割分担になります。ウェビナーの録画を章ごとの短い動画に分けておくと、1本ずつ再生ページを作りやすくなるでしょう。収録前の準備はウェビナー動画の二次活用で扱っています。
手順2 サムネイルを用意する
動画機能に表示されるには、有効なサムネイル画像が必要です。Googleが動画ファイルを取得できればサムネイルを自動で作ろうとしますが、自分で指定すれば、検索結果に出る画像を選べます。
公式ドキュメントに書かれているサムネイルの条件は次のとおりです。
| 項目 | 条件 |
|---|---|
| 形式 | BMP、GIF、JPEG、PNG、WebP、SVG、AVIF |
| サイズ | 60×30ピクセル以上(大きいほうが好ましい) |
| 置き場所 | Googlebotがアクセスでき、固定のURLで取得できる |
| 透明度 | 画素の80%以上が不透明に近いこと |
サムネイルは、構造化データの thumbnailUrl、動画サイトマップのタグ、video 要素の poster 属性などで指定できます。複数の方法で指定する場合は、すべてで同じサムネイルのURLを使うことが求められています。
もう1つ気をつけたいのが、CDNによっては有効期限の短いURLが発行されることです。サムネイルのURLが頻繁に変わると、Googleが動画を正しくインデックスできない場合があります。
手順3 VideoObject 構造化データを書く
構造化データは、ページの内容をGoogleに伝えるための決まった形式のデータです。動画の場合は、schema.orgの VideoObject を使い、JSON-LDで再生ページに記述するのが一般的でしょう。
必須のプロパティ
Googleのドキュメントで必須とされているのは、次の3つです。
name— 動画のタイトル。サイト内の動画ごとに固有の文言にしますthumbnailUrl— 動画ごとに固有のサムネイル画像のURLuploadDate— 動画を最初に公開した日時。ISO 8601形式で、タイムゾーンを含めることが勧められています
推奨のプロパティ
必須ではないものの、指定しておくとGoogleが動画をより正確に把握できるプロパティです。
description— 動画の説明。これも動画ごとに固有の文言にしますcontentUrl— 動画ファイルそのもののURL。可能ならこれを指定することが勧められていますembedUrl— 動画プレーヤーのURL。contentUrlを指定できない場合に使いますduration— 再生時間。ISO 8601形式で、30分5秒ならPT00H30M5Sのように書きますcreator— 動画を作成した個人または組織。名前とURLを添えますexpires— 公開を終える日時。期限がない動画には指定しませんinteractionStatistic— 視聴回数などの統計(該当する場合)regionsAllowedまたはineligibleRegion— 表示を許可する、または許可しない国
構造化データの内容は、実際の動画やページの表示と一致させます。タイトルや説明を検索向けに書き換えて、ページの表示と食い違う状態にするのは避けましょう。
書いた後の確認
Googleのドキュメントでは、次の流れでの確認が案内されています。
- リッチリザルト テストでコードを検証し、重大なエラーを直す
- 数ページだけに導入し、URL検査ツールでGoogleからの見え方を確かめる
- 問題がなければ、再クロールを依頼する
- 残りのページに広げ、サイトマップを送信する
なお、マークアップを追加しても、特定の動画機能が必ず表示されるとは限りません。公式ドキュメントでも、表示は保証されないと明記されています。
手順4 主な出来事(Clip と SeekToAction)を設定する
主な出来事は、検索結果から動画の途中の場面に直接移動できる機能です。章立てのように区切りが表示されるため、長い動画ほど効果を発揮しやすいでしょう。Googleが自動で区切りを見つけることもありますが、構造化データで自分から伝える方法が2つあります。
| 方法 | 区切りを決めるのは | 向いている動画 |
|---|---|---|
| Clip | 自社 | 章立てがはっきりしたウェビナーや解説 |
| SeekToAction | 区切りを1つずつ指定するのが難しい動画 |
Clip — 区切りを自分で指定する
VideoObject の中に hasPart として Clip を入れ、区切りごとに次の項目を書きます。
name— その区切りの内容を表すタイトルstartOffset— 動画の先頭からの開始秒数endOffset— 終了秒数(推奨)url— その時点から再生が始まるURL。動画と同じURLに、時間を指定するパラメータを付けたものです
SeekToAction — URLの決まりをGoogleに伝える
potentialAction に SeekToAction を入れ、target に秒数の部分を {seek_to_second_number} という文字列に置き換えたURLを書きます。Googleはこの決まりをもとに区切りを見つけ、その時点へのリンクを作る仕組みです。日本語の動画にも対応しています。
どちらにも共通する条件
- 動画の途中の時点から再生を始めるURLが使える(
?t=30のような形) - 動画の長さが30秒以上ある
VideoObjectの必須プロパティがそろっている- SeekToActionの場合は、Googleが動画ファイルを取得できる
YouTubeで公開している動画なら、YouTubeの説明欄に、時系列順のタイムスタンプとラベルを1行ずつ書く方法もあります。
手順5 動画サイトマップを送る
動画サイトマップは、ページ上の動画の情報を追加したサイトマップです。新しく追加した動画や、通常のクロールで見つかりにくい動画を、Googleに知らせる助けになります。既存のサイトマップに動画のタグを足しても、動画専用のサイトマップを別に作ってもかまいません。
1本の動画につき、必須のタグは次のとおりです。
video:thumbnail_loc— サムネイルのURLvideo:title— 動画のタイトル。ページに表示するタイトルとそろえることが勧められていますvideo:description— 動画の説明(最大2,048文字)video:content_locまたはvideo:player_loc— 動画ファイルのURLか、プレーヤーのURLのどちらか。可能なら動画ファイルのURLが勧められています
YouTubeやVimeoの動画を埋め込んでいる場合は、video:player_loc に埋め込み用のURLを書きます。ページの内容と関係の薄い動画は載せない、サイトマップ内のURLはすべてGoogleがアクセスできる状態にする、といった条件もあります。
再生時間、公開日、有効期限などは省略できるタグです。構造化データと動画サイトマップの両方を使う場合は、タイトル、サムネイル、動画のURLを同じ内容にそろえておきましょう。
手順6 Search Console で確認する
実装したら、Search Consoleで動画がインデックスされているかを確かめます。使うのは主に次の3つです。
- 動画のインデックス登録レポート — インデックスされたページのうち、動画もインデックスされたページの数と、されなかった理由がわかります
- 動画リッチリザルト レポート —
VideoObjectの実装の問題を確認できます - 検索パフォーマンスのレポート — 検索での見え方のフィルタで、動画として表示された回数やクリック数を見られます
動画のインデックス登録レポートで表示される理由のうち、自社サイトで出やすいのは次のようなものです。
| 表示される理由 | 主な原因と対処 |
|---|---|
| 動画再生ページに動画がありません | 動画がページの主役ではない。動画ごとのページを作る |
| 動画の位置とサイズを判別できません | クリック後にプレーヤーを読み込んでいる。読み込み時に表示する |
| サムネイルが無効 | 形式やサイズ、透明度、アクセスの可否を見直す |
個別のページを調べるときは、URL検査を使います。ページで動画が検出されていれば、検査結果に動画のインデックス登録の欄が表示されます。インデックスされる動画は1ページにつき1本だけである点も、覚えておくとよいでしょう。
公開後の効果をどの指標で見るかは、動画マーケティングの効果測定で整理しています。
YouTubeの埋め込みと自社ホスティングの違い
自社サイトの動画は、YouTubeに公開した動画を埋め込む方法と、自社のサーバーやCDNから配信する方法のどちらかで載せることが多いでしょう。動画SEOの観点では、次のような違いがあります。

| 項目 | YouTubeの埋め込み | 自社ホスティング |
|---|---|---|
| 構造化データのURL | embedUrl にプレーヤーのURL | contentUrl に動画ファイルのURL |
| 主な出来事 | YouTubeの説明欄でも指定できる | Clip か SeekToAction で指定する |
| 配信の負荷 | YouTube側が担う | 自社のサーバーに容量が必要 |
| 検索結果の行き先 | YouTubeのページと自社ページの両方がありうる | 自社ページ |
embedUrl にプレーヤーのURL自社ホスティングcontentUrl に動画ファイルのURLYouTubeを埋め込む場合
公式ドキュメントでは、YouTubeなどの動画を埋め込んだ場合、Googleは自社のページとYouTubeのページの両方で動画をインデックスすることがある、と説明されています。埋め込んだページでも構造化データを使うことが推奨されており、動画サイトマップに含めることもできるとされています。
検索結果からYouTubeに移ったユーザーは、自社サイトを訪れないまま動画を見終えるかもしれません。自社のページに来てほしい動画は、再生ページの説明文や資料請求への導線を充実させ、ページそのものの価値を高めておくのが現実的です。
自社で配信する場合
自社で配信する場合は、動画ファイルを固定のURLで公開し、robots.txtやnoindexでブロックしないようにします。動画プレビューや主な出来事のような機能は、Googleが動画ファイルを取得できることが前提になっているためです。
ページのサーバーだけでなく、動画を配信するサーバーにもクロールに耐えられる容量が必要になります。有効期限付きのURLを発行するCDNを使っている場合は、Googlebotからのアクセスを確認したうえで固定のURLを返すといった対応が、公式ドキュメントでも紹介されています。
よくある質問
Q1. 記事の途中に埋め込んだ動画は、検索結果に表示されませんか?
動画が主役ではないページの場合、動画としての表示の対象にはなりにくいと考えられます。ただし、記事は通常のテキストの検索結果として表示されますし、Google画像検索で動画のバッジ付きで表示される場合もあります。動画として表示させたいものだけ、専用の再生ページを作るのが現実的です。
Q2. 構造化データだけ書けば、動画は表示されますか?
構造化データは、Googleに動画の情報を伝える手段の1つです。再生ページの作り方、サムネイル、動画が読み込まれる仕組みなど、インデックスの条件を満たしていないと表示されません。条件を満たしていても表示が保証されるわけではない点も、公式ドキュメントに明記されています。
Q3. YouTubeのチャンネル運用と、自社サイトの動画SEOは両立できますか?
両立は可能です。YouTubeで公開した動画を自社の再生ページに埋め込み、構造化データを付けておけば、YouTube内の検索とGoogle検索の両方から見つけてもらえる可能性があります。チャンネル運用の考え方はBtoB企業のYouTube運用にまとめています。
まとめ
主要ポイント
- 動画SEOには2つの意味がある — この記事で扱ったのはGoogle検索に動画を表示させる工夫
- まず動画を見つけられる状態にする — 一般的な要素で埋め込み、操作なしで読み込む
- 動画ごとに再生ページを作る — 動画が主役のページだけが動画機能の対象になる
- サムネイルとVideoObjectをそろえる — 必須は
name、thumbnailUrl、uploadDate - 主な出来事と動画サイトマップで補う — Clip、SeekToAction、サイトマップの必須タグ
- Search Consoleで理由を確かめる — インデックスされない理由ごとに直す
次のステップ
- 検索結果に表示させたい動画を選び、動画ごとの再生ページがあるかを確かめる
- 選んだ動画のページを、Search ConsoleのURL検査ツールで調べる
- 必須と推奨のプロパティを一覧にして、制作担当とWeb担当で分担を決める
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参考ソース
- 動画の SEO ベスト プラクティス(Google 検索セントラル) — 動画を検出・インデックスする条件、動画再生ページ、サムネイルの仕様、サードパーティの埋め込み
- 動画(VideoObject、Clip、BroadcastEvent)の構造化データ(Google 検索セントラル) — 必須・推奨プロパティ、Clip と SeekToAction の書き方とガイドライン
- 動画サイトマップとサイトマップの代わり(Google 検索セントラル) — 動画サイトマップの必須タグと省略可能なタグ
- 動画のインデックス登録レポート(Search Console ヘルプ) — インデックス登録のステータスと、登録されない理由