動画マーケティング読了 10分

【集客】動画で見つけてもらう — 検索・広告・SNS・YouTubeの使い分け

特集「動画マーケティング活用ロードマップ」第2回

BtoBの集客で動画を使う方法を、検索・広告・SNS・YouTubeチャンネル・プレスリリースの5つの手段ごとに整理しました。合う動画と尺、置き方、効果測定の指標、よくある失敗と、接点づくりへの渡し方まで解説します。

【集客】動画で見つけてもらう — 検索・広告・SNS・YouTubeの使い分け
目次
  1. この記事でわかること
  2. 集客の段階で動画が担う役割
  3. 検索(SEO) — 探している人に、動画で答える
  4. Web広告 — まだ知らない人に、こちらから届ける
  5. SNS — 流れてくる中で、手を止めてもらう
  6. YouTubeチャンネル — 見つけてもらう場所を自社で持つ
  7. プレスリリース・メディア — 第三者に紹介してもらう
  8. 手段ごとの比較
  9. 集客でよくある失敗と対処
  10. 次の段階への受け渡し
  11. よくある質問
  12. まとめ
  13. 関連記事

特集「動画マーケティング活用ロードマップ」の第2回は、売れる流れの最初の段階である【集客】です。集客は、自社をまだ知らない人に見つけてもらい、サイトや接点に来てもらう段階を指します。

この段階での動画の役割は、知らない人の手を一瞬止めて、続きを見に来てもらうことです。動画1本で問い合わせまで進んでもらう必要はありません。ただ、同じ「集客」でも、検索で探している人と、SNSを流し見している人とでは、届け方も合う動画もまったく違います。

この記事では、集客の手段を5つに分け、手段ごとに動画が効く理由、合う動画と尺、置き方の例、効果測定の指標、注意点を同じ順番で整理しました。最後に、動画を見た人を次の段階へどう渡すかもまとめています。


この記事でわかること

  1. 集客の段階で動画が担う役割 — 目的と、効果測定の指標
  2. 5つの手段ごとの使い方 — 検索、Web広告、SNS、YouTubeチャンネル、プレスリリース・メディア
  3. 手段ごとの比較表 — 動画の役割、合う動画と尺、効果測定の指標
  4. 集客でよくある失敗と対処
  5. 次の段階への受け渡し — 動画を見た人を、サイトや接点へつなぐ方法

集客の段階で動画が担う役割

BtoBの購買は検討期間が長く、関わる人も多いのが特徴です。集客の段階で会う相手の多くは、まだ課題をはっきり言葉にしていないか、そもそも自社の名前を知りません。この相手に対して動画ができるのは、次の2つです。

  • 手を止めてもらう — 文字より先に目に入る動きと音で、流れていく情報の中から気づいてもらう
  • 次に見る理由をつくる — 課題や専門性の一端を見せて、サイトや長い動画へ進んでもらう

逆に、集客の動画に製品の機能や料金を詰め込んでも、見る側にはまだ受け取る準備ができていません。集客の段階で測るのは、表示回数、再生数、サイトへの流入の3つが中心です。問い合わせ数で集客の動画を評価すると、多くの場合は低く見えてしまいます。

集客の5つの手段と、それぞれで動画が担う役割を示し、すべてをサイトや接点への流入につなぐ図
集客の5つの手段と、それぞれで動画が担う役割を示し、すべてをサイトや接点への流入につなぐ図

検索(SEO) — 探している人に、動画で答える

動画が効く理由

検索する人は、すでに何かを知りたがっています。Googleの「動画の SEO ベスト プラクティス」によると、動画はメインの検索結果ページ、動画モード、Google画像検索、Discoverに表示されることがあります。文字の記事と並んで動画の結果が出れば、同じ検索の中でもう1つ見つけてもらう入口が増えるわけです。一方で、まだ誰も検索していないテーマでは、どれだけ動画を作っても検索からは見つけてもらえません。

合う動画と尺

「〇〇とは」「〇〇のやり方」のように、検索の言葉にそのまま答える解説や手順の動画が合います。尺は答えに必要な長さで決めてよく、数分から10分前後の横長が扱いやすいでしょう。音を出せない場所で見る人のために、字幕も付けておきたいところです。

置き方の例

自社サイトに動画ごとの再生ページを作り、タイトルと説明文は検索の言葉に合わせてください。同じ動画をYouTubeにも置き、説明欄から自社サイトの関連ページへリンクしておくと、入口が2つになります。

効果測定の指標

見るのは、検索結果での表示回数とクリック数、動画の再生数、再生ページからサイトのほかのページへ進んだ数です。

注意点

同じガイドでは、動画の機能に表示されるには、1つの動画を見せることが主な目的の「動画再生ページ」が必要だとされています。動画を添えた製品ページなどは再生ページには当たらないと説明されているため、検索で見つけてもらいたい動画は置き場所を分けて考えましょう。再生ページや構造化データの作り方は、自社サイトの動画SEOで手順ごとに解説しています。


Web広告 — まだ知らない人に、こちらから届ける

動画が効く理由

検索やSNSで自然に見つけてもらうには時間がかかります。広告は、届けたい業種や職種の人に、こちらから動画を見せられる手段です。サイバーエージェントとデジタルインファクトの「2025年国内動画広告の市場調査」では、2025年の国内の動画広告市場は8,855億円と推計され、前年の122.2%に伸びました。動画広告を出す場所そのものが、年々広がっているといえるでしょう。

合う動画と尺

広告は飛ばされる前提で作るものです。Google広告ヘルプの「動画広告フォーマットの概要」では、スキップ可能なインストリーム広告は再生開始から5秒でスキップできるようになり、バンパー広告は6秒のスキップできない広告とされています。LinkedInのヘルプ「動画広告の広告仕様」では、3秒から30分までの動画を出せる一方、15〜30秒の動画が勧められています。最初の5秒で課題と社名を伝え、6秒・15秒・30秒前後の尺違いを用意するのが基本です。

置き方の例

YouTubeで横長の15秒と6秒、LinkedInで15〜30秒、スマートフォン向けに縦長の短い版を出し、どれも同じ着地ページへ送る形が基本です。

例として、SmartHRが公式チャンネルで公開している15秒の広告動画を紹介します。同じチャンネルでは、同じ「まるごとSmartHR」のシリーズの30秒の篇も公開されており、尺違いの作り分けを見比べることができるでしょう。

出典 「まるごとSmartHR/勤怠給与も」篇(15秒)(SmartHR YouTube公式チャンネル)

効果測定の指標

表示回数、視聴率、クリック数、着地ページでの滞在と次の行動を見ます。

注意点

広告の動画と着地ページの言葉がずれていると、クリックした人はすぐに離れてしまうものです。媒体別の尺の考え方や冒頭5秒の作り方、1回の撮影から尺違いを作り分ける方法は、BtoBの動画広告の作り方にまとめました。


SNS — 流れてくる中で、手を止めてもらう

動画が効く理由

SNSを見ている人は、何かを探しているわけではありません。流れてくる投稿の中で、動きのある動画は目に入りやすい形式です。ただ、検討の場面で参考にされることは多くありません。Glisが2026年7月にBtoBの購買に関わった300人に聞いた調査では、検討中に参照したものとしてSNSを挙げた人は10.0%でした。SNSの動画は、比べて選んでもらうためではなく、名前と専門性を覚えてもらうためのものと考えておくのが現実的です。

LinkedIn

決裁者や専門職に、仕事の文脈で届けやすいSNSです。会社ページの動画と、社員個人の投稿の動画では役割が異なるため、分けて考えましょう。LinkedInのヘルプでは、投稿できる動画は最大15分とされていますが、フィードでは短い1つの話に絞ったほうが見られやすくなります。投稿の設計はLinkedInの動画活用で詳しく扱っています。

X(旧Twitter)

業界の話題やイベントの速報と相性がよく、展示会やセミナーの様子を短い動画で流す使い方が向いています。話題に乗る分、内容が古くなるのも早いため、作り込みすぎない動画を素早く出すほうが合っています。

YouTubeショート、Instagram、TikTok

縦型の短い動画は、知らない人に次々と表示される仕組みを持っています。YouTubeヘルプでは、ショートとしてアップロードできるのは3分以内で、正方形か縦長の動画とされています。BtoBで続けやすい企画や冒頭の作り方はBtoB企業のショート動画活用で、TikTokを使うかの判断はBtoB企業はTikTokをやるべきかで整理しました。

効果測定の指標

表示回数、再生数、最後まで見られた割合、プロフィールやリンクのクリック数を見ます。

注意点

SNSの動画は、音を出さずに見られる前提で作ります。字幕とテロップの入れ方は企業動画の字幕とテロップを参考にしてください。社員が出演する場合は、公開する範囲と期間の同意も先に取っておきましょう。


YouTubeチャンネル — 見つけてもらう場所を自社で持つ

動画が効く理由

総務省情報通信政策研究所の「令和7年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」(13〜79歳の1,800人、2025年12月実施)では、YouTubeの利用率は全年代で81.5%でした。40代で91.6%、50代で84.9%と、決裁に関わる世代でも多くの人が使っています。YouTubeの中での検索やおすすめから見つけてもらえるうえ、広告やSNSで知った人が「どんな会社か」を確かめに来る受け皿にもなります。

合う動画と尺

解説、事例、社員や代表の話など、3〜15分程度の横長の動画が中心です。シリーズで企画しておくと、見た人が次の動画へ進みやすくなります。

置き方の例

再生リストをテーマ別に分け、各動画の説明欄の最初の数行に、自社サイトの関連ページへのリンクを置きます。YouTubeヘルプによると、終了画面は動画の最後の5〜20秒に追加でき、表示には25秒以上の長さが必要です。

効果測定の指標

再生数、視聴時間、チャンネル登録者数、説明欄からサイトへの流入を見ます。

注意点

同じヘルプでは、終了画面から外部のサイトへリンクできるのはYouTubeパートナープログラムに参加しているクリエイターに限られています。サイトへの誘導は説明欄を基本に考えましょう。チャンネルを続けるための設計はBtoB企業のYouTube運用で、YouTubeを動画の置き場所の軸にする考え方は動画マーケティングはYouTubeを軸にで紹介しています。


プレスリリース・メディア — 第三者に紹介してもらう

動画が効く理由

新サービスの発表や受賞、イベントの開催などは、メディアに取り上げられると、自社の発信では届かない読者に知ってもらえます。記者や編集者が求めているのは、短時間で中身をつかめる材料です。文章と写真だけでは伝わりにくい製品の動きや現場の様子は、動画で補えるでしょう。

合う動画と尺

1〜2分の横長の紹介動画と、記事やニュースに使ってもらいやすい、ナレーションなしの映像素材の2種類が合います。

置き方の例

YouTubeに公開した動画のURLをリリースの本文に載せ、映像素材は問い合わせに応じて渡せるようにしておきます。リリース配信サービスで動画を本文に入れられるかどうかは、サービスごとの仕様を確かめてください。

効果測定の指標

掲載数、リリースや記事から自社サイトへの流入、社名での検索数の変化を見ます。

注意点

素材を渡す前に、出演者や撮影場所、音楽の権利がメディアでの利用にも及ぶかを確認しておきましょう。外部に渡した素材は、編集のされ方をこちらで決められない点も前提にしておく必要があります。


手段ごとの比較

5つの手段を並べると、次のようになります。

手段動画の役割合う動画と尺効果測定の指標
検索(SEO)探している人に答える解説や手順、数分〜10分前後表示回数、クリック数
Web広告知らない人に届ける6秒・15秒・30秒前後視聴率、クリック数
SNS手を止めてもらう縦型の短い動画、字幕あり再生数、リンクのクリック
YouTubeチャンネル確かめに来る受け皿解説や事例、3〜15分程度視聴時間、サイトへの流入
プレスリリース・メディア第三者に紹介してもらう1〜2分の紹介、映像素材掲載数、社名での検索
手段 — 検索(SEO)動画の役割探している人に答える合う動画と尺解説や手順、数分〜10分前後効果測定の指標表示回数、クリック数
手段 — Web広告動画の役割知らない人に届ける合う動画と尺6秒・15秒・30秒前後効果測定の指標視聴率、クリック数
手段 — SNS動画の役割手を止めてもらう合う動画と尺縦型の短い動画、字幕あり効果測定の指標再生数、リンクのクリック
手段 — YouTubeチャンネル動画の役割確かめに来る受け皿合う動画と尺解説や事例、3〜15分程度効果測定の指標視聴時間、サイトへの流入
手段 — プレスリリース・メディア動画の役割第三者に紹介してもらう合う動画と尺1〜2分の紹介、映像素材効果測定の指標掲載数、社名での検索

最初から5つすべてに取り組む必要はありません。今の課題が「探している人に見つけてもらえていない」なら検索とYouTube、「そもそも知られていない」なら広告とSNS、というように、詰まっているところから選ぶのが無理のない進め方です。



集客でよくある失敗と対処

1本の動画をすべての手段に流す

会社紹介動画を、そのまま広告にもSNSにも使ってしまう例はよく見られます。手段ごとに、見る人の状態も、飛ばされるまでの時間も違います。撮影の前に、どの手段に向けて何本、どの尺と向きで作るかを決めておけば、1回の撮影から手段ごとの素材をそろえることも難しくありません。

再生数だけで良し悪しを決める

再生数が多くても、サイトに来た人がいなければ、次の段階にはつながっていません。集客の動画は、表示や再生に加えて、サイトへの流入までを1組で見るようにします。動画ごとにリンクの計測用パラメータを分けておくと、どの動画から来たかを区別できます。

見に来た先が用意されていない

動画で関心を持った人が、トップページに送られて行き場を失うことがあります。動画の内容と同じ言葉で始まるページを用意しておくと、来た人が迷いません。この受け皿の作り方は、次の段階である【接点づくり】の領域です。

続かずに止まる

SNSやYouTubeは、続けなければ見つけてもらいにくくなります。毎回ゼロから企画するのではなく、ウェビナーやインタビューなど、ほかの目的で撮る機会から切り出せないかを先に考えてみてください。


次の段階への受け渡し

集客の動画を見た人は、まだ名乗ってくれていません。この段階の仕事は、その人をサイトや接点まで連れてくるところまでです。受け渡しのために、次の3つを動画とセットで準備しておきます。

動画で次の行き先を示し、同じ言葉で始まるページで受け、どの動画から来たかを記録して接点づくりへ渡す流れの図
動画で次の行き先を示し、同じ言葉で始まるページで受け、どの動画から来たかを記録して接点づくりへ渡す流れの図
  1. 動画の中と説明欄で、次の行き先を示す — 「詳しい手順は資料で」「事例はサイトで」のように、見たあとにすることを1つだけ伝える
  2. 同じ言葉で始まるページで受ける — 動画で話した課題を、着地ページの最初の見出しにもう一度書く
  3. どの動画から来たかを記録する — 計測用パラメータで流入元を分け、接点づくりの段階でどの動画が名乗りにつながったかを確かめられるようにする

来てもらったあとのページやフォームでの動画の置き方は、次回の【接点づくり】で扱います。


よくある質問

Q1. 集客の動画は、どの手段から始めればよいですか?

すでに検索されているテーマがあり、それに答えられる専門性があるなら、検索とYouTubeから始めると積み上がりやすくなります。名前がほとんど知られていない段階なら、届ける相手を絞れる広告を短期間試し、反応のよい切り口を見つけてからSNSやYouTubeに広げる方法もあります。

Q2. 集客の動画にも、製品の説明を入れたほうがよいですか?

入れるとしても一言で十分です。集客の段階で見る人は、まだ製品を比べる段階にいません。課題への気づきや専門性を見せ、詳しい説明はサイトや次の動画で見てもらうように分けたほうが、最後まで見られやすくなります。

Q3. 広告とSNSで、同じ素材を使ってもよいですか?

撮影素材は共通で構いません。ただ、尺、縦横比、冒頭の一言、字幕の入れ方は、手段ごとに作り分けるのがおすすめです。撮影前に作る素材の一覧を決めておけば、追加の撮影なしで対応できます。


まとめ

主要ポイント

  1. 集客の動画の役割は、手を止めて次に見る理由をつくること — 測るのは表示回数、再生数、サイトへの流入
  2. 検索は動画再生ページで答える — 製品ページに添えた動画とは置き場所を分ける
  3. 広告は飛ばされる前提で作る — 最初の5秒で課題と社名、尺違いを用意する
  4. SNSは名前と専門性を覚えてもらう場所 — 音なしで伝わる縦型の短い動画
  5. YouTubeチャンネルは確かめに来る受け皿 — 説明欄からサイトへつなぐ
  6. プレスリリースは第三者の目を借りる — 紹介動画と映像素材、権利の確認
  7. 次の段階へは、行き先、着地ページ、流入元の記録をセットで渡す

次のステップ

  • 5つの手段のうち、今いちばん詰まっているところを1つ選ぶ
  • その手段に合う尺と向きで、作る動画の一覧を書き出す
  • 動画を見た人を送る着地ページと、流入元を分ける計測の準備をする

動画マーケティングの段階ごとの進め方は、資料にまとめていく予定です。現在公開している資料はホワイトペーパー一覧からご覧いただけます。次回は、来てもらった人に名乗ってもらう【接点づくり】の段階で、サイト、LP、資料ダウンロード、フォームでの動画の置き方を整理します。


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参考ソース
#動画マーケティング#BtoBマーケティング#集客#動画広告#YouTube活用

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