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エンジニア採用の動画 — 採用チャネルごとの使い方と訴求の考え方

エンジニア採用の動画は、スカウトや技術ブログ、勉強会、カジュアル面談などのチャネルごとに使い方を変えると生きてきます。エンジニアが気にするポイントに合わせた訴求の仕方と、技術広報と組み合わせる導線を解説します。

エンジニア採用の動画 — 採用チャネルごとの使い方と訴求の考え方
目次
  1. この記事でわかること
  2. エンジニア採用の状況 — 人材の不足感は依然として強い
  3. エンジニアが気にするポイントと、訴求の仕方
  4. エンジニア採用のチャネルと、動画の置き場所
  5. 技術広報と動画を一つの導線にする
  6. 開発組織を見せる動画の企画 — 4つの型
  7. 技術者の言葉で話してもらう — 出演者と台本
  8. 撮影で映してはいけないもの — 画面と機密の確認
  9. 公開後の更新と見直し方
  10. よくある質問
  11. まとめ
  12. 関連記事

エンジニアの採用を担当している方からは「会社紹介の動画を作ったが、エンジニアの応募にはつながらなかった」「動画はあるのに、スカウトや面談でどう使えばよいか分からない」という声をよく聞きます。

エンジニアが応募を考えるときに知りたいのは、会社の雰囲気よりも、どんなものを、どんな環境で、どう決めながら作っているかという開発の中身です。そしてエンジニアは、求人媒体だけでなく、スカウト、技術ブログ、勉強会、SNS、社員からの紹介など、いくつもの経路で会社に出会います。動画を1本作って採用サイトに置くだけでは、この経路の多くで見てもらえないままになりがちです。

この記事では、IT企業の人事担当者や開発組織の責任者に向けて、エンジニアが気にするポイントと訴求の仕方、採用チャネルごとの動画の使い方、技術広報との導線、企画と撮影、公開後の見直し方を、エンジニア採用ならではの部分に絞って整理します。


この記事でわかること

  1. エンジニア採用の状況 — 公的な調査に見る人材の不足感
  2. エンジニアが気にするポイントと訴求の仕方 — 何を動画で見せ、何を文章で書くか
  3. 採用チャネルと動画の置き場所 — 求人媒体、スカウト、技術ブログ、勉強会、SNS、面談ごとの使い方
  4. 技術広報と動画を一つの導線にする — 知る、深く知る、確かめる、話すの段階ごとの役割
  5. 開発組織を見せる企画と出演 — 設計判断、レビューの様子、技術者の言葉で話してもらう工夫
  6. 撮影時の機密の確認と公開後の見直し — 画面の確認、内容の更新、見る数字

エンジニア採用の状況 — 人材の不足感は依然として強い

最初に、エンジニアを含むデジタル人材の状況を公的な調査で確認しておきます。情報処理推進機構(IPA)の「DX動向2026」は、2026年4月中旬から6月中旬に国内企業を対象に行った調査で、1,799社から有効回答を得ています。DXに取り組んでいる企業のうち、DXを推進する人材の量が「やや不足している」「大幅に不足している」と答えた企業は合計85.5%でした。

「大幅に不足している」は50.1%で、2023年度調査の62.1%、2024年度調査の58.5%からは下がったものの、多くの企業が人材を確保しようとしている状況は変わっていません。DXを推進する人材はエンジニアだけを指すわけではありませんが、求人票の条件だけで比べられると、知名度や給与の水準が高い会社が有利になりがちです。条件以外の判断材料をどのチャネルでどう見せるかが、工夫のしどころになります。


エンジニアが気にするポイントと、訴求の仕方

エンジニアは応募の前に、求人票だけでなく技術ブログや発表資料、公開されているコードなどを調べることが少なくありません。転職経験者への調査も一つ見ておきます。転職エージェントのキッカケエージェントを運営するキッカケクリエイションが、2026年5月に過去3年以内に転職したITエンジニア258名を対象に行った自社の調査では、転職で実現したいこと(上位3つまで回答)の1位は「年収・報酬を上げること」で65.1%でした。「ワークライフバランスを改善すること」が53.5%、「エンジニアとしての技術スキルを向上させること」が38.0%と続きます。転職の障壁を聞いた質問(複数回答)では、「転職先の技術環境や開発文化が事前にわからないこと」が27.5%、「人間関係やチームの雰囲気が事前に把握できないこと」が22.1%でした。

一つの調査だけで言い切ることはできませんが、待遇や働き方は条件として正確に書き、技術環境や開発文化、チームの雰囲気は応募前に見える形にしておく、という役割分担が考えられるでしょう。気にされやすいポイントごとに、訴求の仕方と置き場所を整理すると次のとおりです。

気にするポイント訴求の仕方向いている形主な置き場所
何を作っているか、技術の難しさ事業での役割と解いている課題を示す責任者の動画と文章採用サイト、スカウト
技術スタックと選定理由選んだ理由と比べた案を話してもらう一覧は文章、理由は動画求人票、技術ブログ
設計の決め方と裁量実際の設計判断で、誰がどう決めたかを見せる動画技術ブログ、面談の前
開発の進め方とレビュー普段のレビューや相談の場面を見せる動画採用サイト、面談の前
技術的負債への向き合い方課題と、いまの取り組みを話す責任者の動画採用サイト、面談
開発環境機材、ツール、生成AIの使い方の決まりを書く文章と短い動画求人票、採用サイト
チーム構成と相談しやすさ雰囲気は会話の場面で見せる人数は文章、雰囲気は動画採用サイト、SNS
成長と評価評価の仕組みと、学ぶ機会の実例を示す文章採用サイト、面談
働き方リモートなどの制度と実際の運用を示す文章と1日の流れの動画求人票、採用サイト
待遇の考え方給与の幅と決め方を明記する文章求人票、スカウト
気にするポイント — 何を作っているか、技術の難しさ訴求の仕方事業での役割と解いている課題を示す向いている形責任者の動画と文章主な置き場所採用サイト、スカウト
気にするポイント — 技術スタックと選定理由訴求の仕方選んだ理由と比べた案を話してもらう向いている形一覧は文章、理由は動画主な置き場所求人票、技術ブログ
気にするポイント — 設計の決め方と裁量訴求の仕方実際の設計判断で、誰がどう決めたかを見せる向いている形動画主な置き場所技術ブログ、面談の前
気にするポイント — 開発の進め方とレビュー訴求の仕方普段のレビューや相談の場面を見せる向いている形動画主な置き場所採用サイト、面談の前
気にするポイント — 技術的負債への向き合い方訴求の仕方課題と、いまの取り組みを話す向いている形責任者の動画主な置き場所採用サイト、面談
気にするポイント — 開発環境訴求の仕方機材、ツール、生成AIの使い方の決まりを書く向いている形文章と短い動画主な置き場所求人票、採用サイト
気にするポイント — チーム構成と相談しやすさ訴求の仕方雰囲気は会話の場面で見せる向いている形人数は文章、雰囲気は動画主な置き場所採用サイト、SNS
気にするポイント — 成長と評価訴求の仕方評価の仕組みと、学ぶ機会の実例を示す向いている形文章主な置き場所採用サイト、面談
気にするポイント — 働き方訴求の仕方リモートなどの制度と実際の運用を示す向いている形文章と1日の流れの動画主な置き場所求人票、採用サイト
気にするポイント — 待遇の考え方訴求の仕方給与の幅と決め方を明記する向いている形文章主な置き場所求人票、スカウト

技術スタックや待遇のように一覧で書けることは、文章で十分に伝わります。動画が向いているのは、設計の判断の仕方やレビューの雰囲気のように、文章にすると抽象的になってしまう部分です。「コードレビューを大切にしています」と書くより、実際のレビューの会話を数分見せるほうが、その会社のやり方を具体的に想像してもらえます。

開発環境では生成AIの扱いも見られています。SHIFTが2025年12月から2026年1月に国内のITエンジニアを対象に行った意識調査(有効回答2,750件)では、AIの取り組みが積極的かどうかが転職先選びに「影響する」と答えた人が約7割でした。使えるツールと業務で使うときの決まりを書いておくと、判断の材料になります。

訴求で気をつけること

  • 言葉より場面で示す — 「風通しがよい」と書くだけでなく、それが分かる場面を見せる
  • 課題も隠さない — 技術的負債や人手の足りない部分も、入社後の仕事を想像する材料になる
  • 実態と合わない表示をしない — 一部のチームだけの働き方を、全社の標準のように見せない
  • 条件は動画に任せない — 給与や勤務条件は文章で正確に書く

2022年10月に施行された改正職業安定法では、求人企業に対して、虚偽の表示や誤解を生じさせる表示をしないこと、内容に変更があった場合は採用サイトを更新するなどして求人情報を正確で最新の内容に保つことが求められています。動画も採用の情報として見られる以上、文章と同じ基準で確認しておくと安心です。


エンジニア採用のチャネルと、動画の置き場所

エンジニア採用では、求人媒体に掲載して待つだけでなく、会社から声をかけるスカウト、技術の発信、イベント、社員からの紹介など、複数のチャネルを組み合わせるのが一般的です。動画は1か所に置くより、チャネルごとに長さや切り口を変えて使うほうが、作った手間に見合いやすくなります。

チャネル主な役割動画の使いどころ
求人媒体、エンジニア向けの転職サイト条件を比べて応募先を選んでもらう求人ページや企業ページに紹介動画を置く
ダイレクトリクルーティング会社から候補者に声をかけるスカウトの文面に動画のURLを添える
技術系の情報共有サービス、技術ブログ技術の取り組みを知ってもらう記事に解説動画を埋め込む
勉強会、カンファレンス登壇やスポンサーで社名と技術を知ってもらう登壇の録画を切り出して公開する
イベントの告知サービス自社主催の勉強会に人を集める告知ページに前回の録画を載せる
SNS継続して接点を持つ発表の要点を縦型の短い動画にする
リファラル(社員紹介)社員の知人に声をかけてもらう社員が送りやすい紹介動画を用意する
採用サイト情報を一か所にまとめる動画をテーマ別に並べる
カジュアル面談選考の前にお互いを知る面談の前に送り、質問から始める
チャネル — 求人媒体、エンジニア向けの転職サイト主な役割条件を比べて応募先を選んでもらう動画の使いどころ求人ページや企業ページに紹介動画を置く
チャネル — ダイレクトリクルーティング主な役割会社から候補者に声をかける動画の使いどころスカウトの文面に動画のURLを添える
チャネル — 技術系の情報共有サービス、技術ブログ主な役割技術の取り組みを知ってもらう動画の使いどころ記事に解説動画を埋め込む
チャネル — 勉強会、カンファレンス主な役割登壇やスポンサーで社名と技術を知ってもらう動画の使いどころ登壇の録画を切り出して公開する
チャネル — イベントの告知サービス主な役割自社主催の勉強会に人を集める動画の使いどころ告知ページに前回の録画を載せる
チャネル — SNS主な役割継続して接点を持つ動画の使いどころ発表の要点を縦型の短い動画にする
チャネル — リファラル(社員紹介)主な役割社員の知人に声をかけてもらう動画の使いどころ社員が送りやすい紹介動画を用意する
チャネル — 採用サイト主な役割情報を一か所にまとめる動画の使いどころ動画をテーマ別に並べる
チャネル — カジュアル面談主な役割選考の前にお互いを知る動画の使いどころ面談の前に送り、質問から始める

求人媒体とスカウトでは、文面の続きとして見せる

エンジニア向けの転職サイトやスカウトサービスには、GitHubの登録をもとに企業とマッチングするもの(Findy)、技術力や市場価値を測るプロフィールを自動で作り、企業からスカウトが届くもの(LAPRAS)、技術や開発文化、プロダクトに関する詳しい求人を載せられるもの(Forkwell)などがあります。動画を載せられるかどうかは媒体ごとに異なるため、仕様を先に確認しておきましょう。

スカウトの文面は、長くなるほど読まれにくくなるものです。文面には「なぜあなたに声をかけたのか」を書き、開発の中身は動画のURLで渡すと、短くても情報量を保てます。インフラの経験がある人には基盤チームの設計の話、というように候補者のプロフィールに近いテーマの動画を選んで送ると、定型文との違いが伝わります。

技術系の情報共有サービスと技術ブログでは、記事と動画を並べる

QiitaやZennは、エンジニアが技術や開発の知見を共有するサービスです。Qiitaには、企業や団体ごとに記事をまとめて見せるOrganizationのページがあります。Zennでは、記事の中にYouTubeの動画のURLだけの行を書くと動画が埋め込まれる仕組みです。記事を書いたエンジニアが背景を話す動画を埋め込んでおけば、読者は話し手の人柄にも触れられるでしょう。

勉強会、カンファレンス、イベントの告知では、録画を材料にする

カンファレンスでの登壇やスポンサーとしての出展は、技術の話題を通じて社名を知ってもらう機会です。登壇を録画しておけば、全編のほかに要点を数分にまとめた版や縦型の短い動画に切り出せ、新しく撮影しなくても材料になります。録画を使う場合は、主催者に録画と公開の可否を事前に確認しておきましょう。

自社で勉強会を開くときは、connpassやTECH PLAYのような、IT勉強会やイベントの情報を探せるサービスで告知するのが一般的です。告知ページに前回の録画を載せておくと、参加を迷っている人に内容が伝わります。収録前に決めておくことはウェビナー動画の二次活用で詳しく扱っています。

SNSとリファラルでは、短く、送りやすくする

SNSでは、登壇の要点や開発チームの日常を縦型の短い動画にして、継続的に発信します。作り方はBtoB企業のショート動画活用やLinkedInの動画活用が参考になります。

社員からの紹介では、知人に会社のことを一から説明するのが社員の負担になりがちです。チームの紹介動画を共有しやすい形で用意しておくと、「まずこれを見てみて」と気軽に送ってもらえます。

採用サイトとカジュアル面談では、まとめて見せ、会話につなげる

採用サイトのエンジニア向けページは、各チャネルで出会った人が最後に確かめに来る場所です。動画はテーマ別に並べ、撮影した時期を添えておくと親切です。文章と動画の役割分担は、採用動画と採用LPの相乗効果が参考になるでしょう。

カジュアル面談では、案内のメールで動画を送っておくと、会社の説明に使う時間が減り、候補者の質問から話を始められます。選考の途中や内定後の使い方は、内定承諾率を上げる動画の使い方にまとめました。


技術広報と動画を一つの導線にする

技術広報は、技術ブログや登壇、オープンソースへの貢献などで、自社の技術や開発の取り組みを社外に発信する活動です。動画をこれらと別に作ると、話す内容が重なったり、どちらも中途半端になったりしやすいものです。

前の節のチャネルを、会社を知ってから話すまでの段階に並べ直すと、動画が担う役割が見えてきます。

段階主なチャネル動画の役割
知る勉強会や登壇、SNS、イベントの告知技術の話題から社名を覚えてもらう
深く知る技術ブログ、情報共有サービス、YouTube記事の背景や判断の理由を話す
確かめる採用サイト、求人媒体、スカウトチームや開発の進め方を見せる
話すカジュアル面談、リファラル事前に動画を見てもらい、質問から始める
段階 — 知る主なチャネル勉強会や登壇、SNS、イベントの告知動画の役割技術の話題から社名を覚えてもらう
段階 — 深く知る主なチャネル技術ブログ、情報共有サービス、YouTube動画の役割記事の背景や判断の理由を話す
段階 — 確かめる主なチャネル採用サイト、求人媒体、スカウト動画の役割チームや開発の進め方を見せる
段階 — 話す主なチャネルカジュアル面談、リファラル動画の役割事前に動画を見てもらい、質問から始める
エンジニアが会社を知る、深く知る、確かめる、話すの4段階ごとに、使う採用チャネルと動画の役割を並べた図
エンジニアが会社を知る、深く知る、確かめる、話すの4段階ごとに、使う採用チャネルと動画の役割を並べた図

技術ブログと動画は同じテーマで作る

技術ブログの記事は手順やコードを正確に伝えるのに向いていますが、なぜその方法を選んだのかといった背景は省かれがちです。記事を書いたエンジニアにテーマについて5分ほど話してもらうと、記事と動画が互いを補い合います。記事が出るたびに作れるので、シリーズとして続けやすいのも利点です。動画はYouTubeにまとめておくと、技術ブログ、採用サイト、スカウトのどこからでも同じ動画に案内できます。チャンネルの設計はBtoB企業のYouTube運用が参考になるでしょう。


開発組織を見せる動画の企画 — 4つの型

技術ブログの解説動画のほかに、開発組織の紹介動画として作りやすいのは次の4つの型です。すべてを作る必要はなく、前の表で自社が訴求したいポイントに近いものから選びます。

設計判断を語る動画

ある機能やシステムの設計について、何を目指し、どんな案を比べ、なぜその案を選んだのかを話してもらう動画です。採用しなかった案や、あとから見直した判断も話せると、設計の決め方と裁量がよく伝わります。2人のエンジニアがホワイトボードを使いながら対話する形にすると、説明が一方的になりにくくなります。

開発環境と1日の流れ

使っている機材やツール、朝会から退勤までの1日の流れを見せる動画です。リモートで働くチームなら、オンラインでの相談の様子も含めます。働き方の実態は条件の説明だけでは伝わりにくい部分です。

コードレビューや相談の様子

実際のレビューや設計の相談の場面を撮る動画です。指摘の言い方や、若手の意見がどう扱われるかは、エンジニアが職場を選ぶときに気にする部分でしょう。演技をしてもらうより、普段の打ち合わせをそのまま撮らせてもらうほうが自然な映像になります。

開発組織の責任者が話す動画

CTOなどの責任者が、組織の現状と課題、技術的負債への向き合い方、これから取り組みたいことを話す動画です。課題を正直に話すと、入社後に任される仕事を想像してもらいやすくなります。

複数の社員が話す形にしたい場合は、社員座談会動画の作り方で進行と編集の工夫をまとめています。


技術者の言葉で話してもらう — 出演者と台本

開発組織の動画では、出演するエンジニアが普段使っている言葉で話すことが大切です。人事が用意したきれいな言葉を読み上げると、見る側のエンジニアに違和感を持たれやすくなります。

出演者の選び方

話がうまい人より、そのテーマについて実際に手を動かした人を選びます。若手と経験の長いエンジニアを組み合わせると、見る人が自分に近い立場の出演者を見つけやすくなるでしょう。出演者の選び方の基準は、社員インタビュー動画の出演者選びも参考になるはずです。

台本は書きすぎない

台本には、質問と話してほしい要点を箇条書きで書く程度にとどめます。見る人の多くはエンジニアなので、専門用語は無理に言い換えず、そのまま話してもらって構いません。そのうえで、字幕には正確な表記を入れておくと安心です。台本の書き方は企業動画の台本の書き方で詳しく扱っています。

聞き手は技術が分かる人に

聞き手は、開発組織の中の人か、技術の話についていける人が適しています。「その方法を選ばなかった理由は何ですか」と掘り下げられるかどうかで、動画の深さが変わるためです。



撮影で映してはいけないもの — 画面と機密の確認

開発組織の撮影では、パソコンの画面やホワイトボードが映る場面が多くなります。何気なく映った画面から社外秘の情報が見えてしまわないよう、撮影の前と後で確認の手順を決めておきます。

撮影前、撮影当日、編集後の3段階で、画面とホワイトボード、顧客や受託案件の情報、未公開の機能を確かめる流れを示した図
撮影前、撮影当日、編集後の3段階で、画面とホワイトボード、顧客や受託案件の情報、未公開の機能を確かめる流れを示した図

映してはいけないものの例

  • 認証情報 — パスワード、APIキー、アクセストークン、社内のサーバーの名前やアドレス
  • 顧客の情報 — 本番のデータ、顧客名が入った画面、問い合わせの内容
  • 受託開発の情報 — 秘密保持の契約を結んでいる取引先のコードや画面
  • 未公開の情報 — 発表前の機能、開発中の画面、ロードマップ
  • ホワイトボードや掲示物 — 打ち合わせのメモ、売上や採用の数字、座席表

確認の手順

  1. 撮影前 — 画面に映すものは撮影用に用意し、通知やチャットの表示を切っておく。撮影する部屋の掲示物を外す
  2. 撮影当日 — 開発組織の担当者が立ち会い、映してはいけないものがないかをその場で確かめる
  3. 編集後 — エンジニアと情報セキュリティの担当者が、全カットをコマ送りで確認する

公開後に気づいて差し替えても、保存や切り抜きは完全には取り消せないと考えておいたほうが安全です。出演する社員の権利の扱いは、社員が出演する動画の肖像権と著作権で確認できます。


公開後の更新と見直し方

技術スタックやチームの構成は、採用サイトの文章より早く変わることがあります。前に触れた改正職業安定法の考え方に沿い、撮影した年と、変わりやすい内容を把握しておき、実態と合わなくなった動画は差し替えるか非公開にしましょう。動画の中では変わりやすい技術の名前を細かく挙げすぎず、判断の考え方やチームの進め方のように長く変わらない内容を中心にすると、作り直しの頻度を抑えられます。

成果は再生数だけでは判断しにくいため、チャネルごとに次のような数字や声も見ておきたいところです。

  • スカウトの返信率 — 動画のURLを入れた文面と入れない文面で比べる
  • 動画を置いたページからの面談や応募の数 — 採用サイトや求人ページごとに見る
  • 面談や面接で動画に触れた候補者の数 — 面接官に「動画を見ましたか」と聞いてもらう
  • 候補者からの質問の変化 — 基本的な質問が減り、踏み込んだ質問が増えているか
  • 入社した人へのアンケート — 応募を決めるときに参考にしたもの

半年に一度ほど、開発組織の責任者と人事で数字を見直し、次に作るテーマを決めると続けやすくなります。指標の決め方は動画マーケティングの効果測定、動画を含めた発信全体の進め方はBtoBの動画マーケティングの進め方にまとめています。


よくある質問

Q1. どのチャネルから動画を使い始めればよいですか?

すでに動いているチャネルから始めるのが無理のない進め方です。スカウトを送っているならその文面に、カジュアル面談をしているなら案内のメールに、開発組織の紹介動画を1本添えるところから始められます。技術ブログがまだない会社でも、設計判断を語る動画や責任者の動画は作れますし、話した内容を文字に起こせば技術ブログの最初の記事にもなります。

Q2. エンジニアに出演を断られた場合はどうすればよいですか?

顔を出さずに、画面や手元、ホワイトボードだけを映して声で話してもらう方法があります。出演の負担を減らすために、撮影時間を短く区切ることや、公開前に本人が内容を確認できることを先に伝えておくと、引き受けてもらいやすくなります。

Q3. 新卒と中途で同じ動画を使ってもよいですか?

開発組織の紹介や設計判断の動画は、どちらにも使える内容です。新卒向けには研修や育て方、中途向けには任せる仕事の範囲や裁量のように、関心が分かれる部分は別の動画にすると伝わりやすくなります。作り方は新卒採用向け動画の作り方と中途採用向け動画の作り方を参照してください。


まとめ

主要ポイント

  1. エンジニアが知りたいのは開発の中身 — 何を、どんな環境で、どう決めながら作っているか
  2. 気にするポイントごとに訴求の形を分ける — 条件は文章で正確に、設計判断やレビューの雰囲気は動画で見せる
  3. チャネルごとに使い方を変える — スカウトの文面にURL、技術ブログに埋め込み、登壇の録画は切り出す
  4. 技術広報と動画を一つの導線にする — 知る、深く知る、確かめる、話すの段階ごとに役割を決める
  5. 技術者の言葉で話してもらい、画面と機密は3段階で確認する
  6. 実態と合わなくなった動画は差し替える — チャネルごとの数字で見直す

次のステップ

  • 自社が訴求したいポイントと、いま使っている採用チャネルを書き出す
  • そのポイントに近いテーマで、話せるエンジニアと聞き手を決めて1本作る
  • その動画をスカウトの文面と面談の案内に添え、反応を比べる

採用動画の企画や撮影の設計については、デジタルメディア戦略事業でもご相談を承っています。


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参考ソース
#採用動画#エンジニア採用#採用チャネル#技術広報#開発組織

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